青森県「リモートセンシング技術等を活用した米の安定生産によるブランド化」

展開地域名: 青森県

分野:
農林水産業支援
キーワード:
自動化
業務効率化
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解決すべき課題

■平成 27 年にデビューした「青天の霹靂」のブランド化を進めるための、農業現場の労働力不足や高品質米の栽培管理・安定化。
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター「スマート農業推進室」参照。)

● おいしいく、品質のよい米を生産するにはタンパク質が低い米(出荷基準 6.4 %以下)で適を期で収穫をする必要がある。
(青森県「「水田農業の再構築」に向けた革新技術の研究・普及成果発表会 資料集」より。)

● 高品質米を安定して生産するためには、水田の特性に応じた適切な栽培管理が必要。
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター 「ブランド米生産支援システム「青天ナビ」の開発」より。)

解決の手法

■ブランド米である「青天の霹靂」の安定生産やブランディングを図るため、「物を触らずに調べる技術」である「リモートセンシング」技術等を活用したシステムで 、衛星データを基に栽培する水田の選択や施肥量の増減を自動でアドバイスする ICTシステム「晴天ナビ」を構築。2019 年から活用を進める。晴天ナビの運用は地方独立行政法人 青森県産業技術センターが担当。

(地方独立行政法人 青森県産業技術センター「スマート農業推進室」、「【R4Web参観デー】衛星画像を利用した水稲の生育診断」参照。)

 【青天ナビ】:

  米の収穫量や玄米タンパク質含有量等のデータを集計・分析するとともに、衛星画像解析により収穫適期のマッピング等をすることができる。
 
● 晴天ナビの特徴:

・マップの表示画面で栽培管理に役立つデータ(① 収穫適期、② タンパク(食味)、③ 収量、④ 土壌の肥沃度(腐植含量))などを、携帯端末で容易に閲覧できる。

・施肥管理のアドバイス画面 で、衛星データから判定した前年のタンパク・収量の状況から、その水田に対応した施肥管理や栽培管理のアドバイスを表示する。また、土壌の肥沃度から、美味しい米を生産しやすい水田をアドバイス表示する。

・出荷実績の集計画面 (指導機関専用の画面)で、出荷米の検査(タンパク・検査等級)、収量などのデータを集計し、指導が必要な生産者を容易に絞り込むことができる。

(地方独立行政法人 青森県産業技術センター「ブランド米生産支援システム「青天ナビ」の開発」より。)

● リモートセンシング技術を活用した収穫適期マップなどの利用実証に農林水産省の革新的技術開発・緊急展開事業(平成 28 年度から4年間)を活用。

● 平成 31 年 2 月(令和元年産米の生産)から、「青天の霹靂」の生産指導で「青天ナビ」が活用されている。
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター「ブランド米生産支援システム「青天ナビ」の開発」より)。

●「青天ナビ」システムの構築などに内閣府の地方創生交付金(平成 28 年度から令和 3 年度のうち5年間)を活用。

● 令和 3 年度事業費 14,258 千円(うち、地方創生推進交付金(内閣府) 3,600千円)

解決における工夫点

・晴天ナビを活用し、県は、生産者へのデータに基づく指導や米の品質管理を行うことができ、安定生産やブランド化につなげられている。

・生産者も青天ナビを活用することで、自身のほ場(水田)に関するデータを知ることができるようになっている。

事例による成果

● 収穫適期や玄米タンパク質含有率等の情報を元に、生産者やほ場にあわせたきめ細かな指導が可能になり、収量が増加し品質も向上した。

・平成 30 産米でタンパクが高かった(6.1 % 以上)生産者 30 名に指導した結果、うち 22 名(約 7 割)で、令和元年産米のタンパクが 6.0 % 以下(生産目標)に改善した(地方独立行政法人 青森県産業技術センター「ブランド米生産支援システム「青天ナビ」の開発」より)。

● 日本穀物検定協会の食味ランキングにてデビュー以来 7 年連続の特A評価を獲得。

・「晴天の霹靂」が県産米全体をけん引するブランド米としての役割を担うことになった。

● 本取り組みは以下 2 点の賞を受賞している。

・2018 年 3 月:内閣府主催「第3回 宇宙開発利用大賞 農林水産大臣賞」を受賞。
 (地方独立行政法人 青森県産業技術センター 青森産技プレスリリース「「青天の霹靂」ブランド確立に向けたリモートセンシング技術の取組が「第3回 宇宙開発利用大賞 農林水産大臣賞」を受賞より。)

【宇宙開発利用大賞】:

 宇宙開発利用の推進において大きな成果を収める、先導的な取り組みを行う等、宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し、その功績をたたえることにより、我が国の宇宙開発利用の更なる進展や宇宙開発利用に対する国民の認識と理解の醸成に寄与することを目的とした表彰制度((一財)日本宇宙フォーラム「宇宙開発利用大賞」より)。

・2022 年 6 月:第11回地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード2022)で 農林水産大臣賞を受賞。
(地方独立行政法人 青森県産業技術センター 青森産技プレスリリース「「青天の霹靂」ブランド確立に向けた「青天ナビ」の取組が、地域産業支援プログラム表彰「農林水産大臣賞」を受賞」より。)

【地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード)】:

 本表彰事業は、各地の地域産業支援プログラムや支援者の質的向上および取り組みの普及を図り、より一層の地域産業の振興・活性化を喚起、促進することを目的に実施している。

 日本各地において、新事業・新産業創出を目的として地域特性に応じて多様な地域産業支援プログラムが実践され、様々な成果を上げており、このような優れた取り組みを積極的に評価し、表彰することによって、さらなる地域産業振興・活性化を目指す。

(全国イノベーション推進機関ネットワーク「イノベーションネットアワード「地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード)とは)」より。)

事例が与えた影響

青森県は「青天の霹靂」以外のあおもり米についても今後、リモートセンシング技術等のデジタル技術を活用した支援を広げる方針をとることとなった。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2019 年~継続運用中

参考資料

本事例は、「総務省 地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■総務省

・地 域 社 会 の デ ジ タ ル 化 に 係 る参 考 事 例 集【第2.0版】令和4年9月2日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf

■地方独立行政法人 青森県産業技術センター

・スマート農業推進室
https://www.aomori-itc.or.jp/soshiki/nourin_sougou/syokai/smart.html

・ブランド米生産支援システム「青天ナビ」の開発
https://www.aomori-itc.or.jp/_files/00178853/seiten_navi.pdf

・【R4Web参観デー】衛星画像を利用した水稲の生育診断
https://www.youtube.com/watch?v=ru6IHEtXo8w

●青森産技プレスリリース 

・「青天の霹靂」ブランド確立に向けたリモートセンシング技術の取組が「第3回 宇宙開発利用大賞 農林水産大臣賞」を受賞 2018.3.20
https://www.aomori-itc.or.jp/_files/00009171/29_25_rimosen.pdf

・「青天の霹靂」ブランド確立に向けた「青天ナビ」の取組が、地域産業支援プログラム表彰「農林水産大臣賞」を受賞  2022.6.8
https://www.aomori-itc.or.jp/docs/2022060800022/files/20220608_nourinsouken.pdf

■青森県

・「水田農業の再構築」に向けた革新技術の研究・普及成果発表会 資料集 平成28年2月10日(水)青森県農林水産部農林水産政策課 地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/seikahappyoushiryou.pdf

・「青天の霹靂」の栽培・出荷基準について 2018年9月7日更新
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/noen/seitennohekireki_kijun.html

・水稲奨励品種「青天の霹靂」の特性
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/H27s1.pdf

・「青天の霹靂」栽培指導へのリモートセンシング技術の活用法
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/H28s1.pdf

・リモートセンシングを利用して、広範囲で圃場ごとの刈取適期が推定できる
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/h25s23.pdf

・航空機リモートセンシングを利用した玄米タンパク含有率の推定とその活用
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/nosui/files/H20-5-2.pdf

■晴天の霹靂(公式サイト)
http://seitennohekireki.jp/index.html

■内閣府

・宇宙開発利用大賞について
https://www8.cao.go.jp/space/prize/prize.html

・過去の宇宙開発利用大賞
https://www8.cao.go.jp/space/prize/prize_past.html

・第3回宇宙開発利用大賞の受賞者決定
https://www8.cao.go.jp/space/prize/third/transfer4.html

■(一財)日本宇宙フォーラム

・宇宙開発利用大賞
http://www.uchuriyo.space/taishou/

 ー第3回宇宙開発利用大賞 受賞事例集
http://www.uchuriyo.space/taishou/pdf/awardrecipient.pdf

■全国イノベーション推進機関ネットワーク

・第11回地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード2022) 表彰式 開催報告 2022年06月15日公開
https://www.innovation-network.jp/recent/2022061500075

・イノベーションネットアワード
地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード)とは
https://www.innovation-network.jp/award/

■朝日新聞デジタル

・7年連続「特A」夏場の低温にも負けず 青森 2022年3月3日
https://www.asahi.com/articles/ASQ32779CQ32ULUC01L.html

関連する図表・動画

●地方独立行政法人青森県産業技術センター
・衛星画像を利用した水稲の生育診断 AS31【農林総合研究所】
https://www.youtube.com/watch?v=ru6IHEtXo8w

事例に関する問い合わせ先

担当:青森県農林水産部 農産園芸課
(稲作グループ電話番号: 017-734-9480)
E-mail: noen@pref.aomori.lg.jp

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