静岡県裾野市「衛星画像とAIを活用した耕作放棄地をマッピングする仕組み」

展開地域名: 静岡県裾野市

分野:
農林水産業支援
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
AI
IoT

←戻る

解決すべき課題

● 耕作放棄地の調査を手作業で行っており、調査前の地図や帳票の準備段階、現地調査、判定結果の記入、入力など一連の作業に多くの時間と手間を要し、委員・職員の両者に負担となっていた。

・耕作放棄地の調査:農地法に基づき毎年1回、全国の各農業委員会の義務として耕作放棄地の現況確認が行われている。(農林水産省「全国耕作放棄地面積の推移について」資料より。)

● 農業委員の現地調査については、限られた人数で調査できる範囲に限界があった。

解決の手法

■令和 2 年度に耕作放棄地を自動判定が可能なSagri社のアプリ「ACTABA(アクタバ)」を導入、実証実験を実施。(裾野市「9月定例記者会見その他市長原稿 」参照。)

● 令和 2 年度は部分的な実証実験の実施を行い、令和 3 年度は全委員がタブレット端末上で「ACTABA」を操作し、調査を行った。

● ACTABA:

・衛星画像と AI を活用し、季節ごとの植物の高さから耕作放棄地と農地等を区別することで耕作放棄地が衛星画像上にカラーリングされ、マッピングされる仕組み。

・ACTABAを活用することで、下記のことが可能になる:

 ❶ 耕作放棄地の把握:

  衛星データをもとに耕作放棄地率を判定、地図上に表示。現地パトロールが必要な場合は、担当者に該当の農地を割り当てられる。

 ❷ タブレット一つで調査〜結果登録まで可能:

  パトロール担当者は、割り当てられた自身の担当農地をタブレットで確認できる。農地へのナビゲーション機能を用いて現地へ赴き、調査結果や撮影した写真を登録できる。

 ❸ 判定結果データをまとめて出力:

  各担当者から登録された調査結果のデータは、事務局側でまとめて管理できる。調査済みの農地を地図上で把握できる他、台帳システムへの登録が簡単にできるよう、CSV形式でデータをダウンロードできる。

  (Sagri社「アクタバ」参照。)

● 本取り組みは、市が令和 2 年 3 月に発表した「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ(SDCC:Susono Digital Creative City)構想」の具体的な取り組みの一つ。SDCC は、富士山麓の豊かな自然環境のもと、クリエイティブ・マインドを持った市民や企業などがデジタル技術やデータの利活用によってまちをリデザインし、あらゆる分野の地域課題を解決する次世代型近未来都市を目指すことを目的としている。
(裾野市「広報すその 2月号 2021 February No.1396 特集 スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想って何だ?」より。)

 当初、構想期間を 2020(令和 2)年~ 2035(令和 17)年(約 15 年間)としていたが、令和 4 年 9 月に終了した。(裾野市「広報すその 2月号 2021 February No.1396 特集 スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想って何だ?」、「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想(SDCC構想)」より。)

解決における工夫点

・デジタル技術等の導入で課題となるのは、比較的高齢層である農業委員の端末操作であることから取り扱い講習を事業者とオンラインで実施し、現地調査でも不安を和らげるよう
な対応を取った。

・「習うより慣れろ」を合言葉に実証実験を実施しデジタル推進に対する理解を深めた。

事例による成果

● 準備段階で負担が軽減された。

● 現地調査では職員が補助しながらの操作であったが、位置関係を瞬時に把握できる、写真撮影記録もできることで、今後の業務効率化等に資するものであることが確認できた。

事例の継続性

運用停止

事例の運用期間

令和 2(2020)年度~令和 3(2021)年度

参考資料

本事例は、「総務省 地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■総務省

・地 域 社 会 の デ ジ タ ル 化 に 係 る参 考 事 例 集【第2.0版】令和4年9月2日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf

■農林水産省 

・全国耕作放棄地面積の推移について
https://www.maff.go.jp/j/budget/yosan_kansi/sikkou/tokutei_keihi/seika_R2/ippan/attach/pdf/R2_ippan-14.pdf

■静岡県裾野市 

・定例記者会見(令和2年度 第2回(令和2年8月25日開催))
http://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/3/3/4/kishakaiken/teireikisyakaiken/2020/14682.html

 ー9月定例記者会見その他市長原稿
http://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/12/2021_2teireikishasonota.pdf

・広報すその 2月号 2021 February No.1396
特集 スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想って何だ?
http://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/12/Susono2102.pdf

・スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想
http://www.city.susono.shizuoka.jp/shisei/9/jisedai/index.html

・スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想(SDCC構想)2022年09月26日更新
https://www.city.susono.shizuoka.jp/shisei/9/jisedai/13804.html

 ー令和4年9月月例記者会見動画(SDCC構想終了)
https://www.youtube.com/watch?v=lgkYT1_-X2Q

・令和4年9月行政報告(SDCC構想の終了について)2022年09月13日更新
http://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/3/4/1/2/17306.html

・令和4年裾野市議会6月定例会各 常 任 委 員 会
https://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/23/R4_6iinkai.pdf

■Sagri社 アクタバ
https://sagri.tokyo/actaba-2/

■東京新聞 

・耕作放棄地、AI判定 裾野市が実証実験 自治体2カ所目 時間と労力削減へ 2020年8月27日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/51405

■朝日新聞

・増加する耕作放棄地、衛星データで判定 静岡・裾野市  2020年10月10日 
https://www.asahi.com/articles/ASNB96W8LN9ZUTPB006.html

■東京新聞 

・デジタルの街構想終了 裾野市、実験多く実用化進まず 2022年9月9日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/201026

■ESG Journal 

・裾野市、SDCC構想の終了を発表 2022年9月13日
https://esgjournaljapan.com/domestic-news/20931

事例に関する問い合わせ先

裾野市産業振興部 農林振興課
Tel: 055-992-1111(裾野市役所代表)

本事例についてのご要望

本ページ掲載事例の、項目の追加・修正・削除等のご要望は地方公共団体DX事例データベースに対するご要望フォームよりお寄せください。

PAGE TOP