山形県山形市「『やまがたAI部』(産学官連携による高校生のためのAI教育)」

展開地域名: 山形県山形市

分野:
教育
地域活性化
キーワード:
自動化
人材育成
AI

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解決すべき課題

■大都市部と比較し、地方はデジタル人材が不足しているほか、デジタル活用も進んでいない。このままでは、さらにデジタル格差が進む恐れがある。高等教育においては、各種探究活動や情報教育の推進が求められていたが、デジタル教育を行う環境整備が遅れていた。また、県内では、デジタル化や若者定着のための施策の実施・推進が必要となっていた。

● 地域の企業において、デジタル活用が進んでおらず、デジタル人材を育成し定着する環境も整っていない。

● 高校生に地域の産業が知られていないことから、定着に至っていない。

解決の手法

■山形県内高校を対象に AI 学習を通した教育支援活動を展開するため、産学官等の有志が連携し、2020 年8月に「やまがたAI部運営コンソーシアム設立準備委員会」を立ち上げ、同年 10 月に同コンソーシアムを設立、「やまがたAI部」を運営。本運営コンソーシアムは産学官、民間企業 65 社、地方自治体 13 団体、県内 3 大学で連携、高校生の学びを支援。

● やまがたAI部:

・山形県内の企業・教育機関・自治体が連携し、山形県内の高校生を対象とした学校横断型の部活動という形式で AI プログラミング教育を行うデジタル人材育成プロジェクト(山形市「山形市スマートシティ推進計画 令和4年3月」より)。

・コンソーシアムの趣旨に賛同する団体は、財政的な支援を行うほか、上記プログラム実施のためのコーチ等や「やまがたAI甲子園」運営のための人材・人員の提供や、全体的な運営に参加する。

・「やまがたAI部」開設運営初期はクラウドファンディングで資金を集めた。
(超教育協会「山形の企業、大学、行政が協力しあい、高校生に先進のAI教育を行う 第91回オンラインシンポレポート・前半」、READYFOR「山形県の未来を高校生が変える!スタートは「やまがたAI部」から」参照。)

・本取り組みは山形市スマートシティの実現を担う人材を育成する活動を支援するため、県内企業、教育機関、自治体が連携して県内の高校生に AI を学ぶ機会を提供するための「デジタル人材育成プロジェクト」。
(山形市「山形市スマートシティ推進計画 令和4年3月」、「令和4年2月14日 市長臨時記者会見(令和4年度当初予算案の概要について)」参照。)

・やまがたAI部では高校生に対して次のプログラムを提供:

  ・AI プログラミング教育(講義や実習等の講座を 20 数回程度):

   ー AI プログラミングの基礎から大学の先生による Python 実践

  ・企業訪問:県内のものづくり企業やプロスポーツ団体等を訪問し、現場を体感し、AI 導入や活用のアイディア提案を行うもの

  ・やまがたAI甲子園(後援:デジタル庁/東北経済産業局):やまがたAI部での活動をもとに、設定した課題に AI を活用し成果を競い、発表する場。

   ースギ花粉散布予想 AI、失業者数予測 AI、豪雨予想 AI、農産物選別 AI 等、さまざまな社会解決のアプローチが発案されている。

・参加校については、コンソーシアム参加団体が連携自治体に所在する学校に趣旨を説明し参加を募り、3 年間で県内高校の約 1/3 の 21 校が参加となっている。今後、県内全高校参加に向け、連携自治体に所在する高校を優先し、普通科、専門学科、総合学科のバランスを考慮し順次参加校を増やすとともに、大分県、東京都、熊本県など他県で参加を希望する高校にも順次活動を広げる。

 ー2022 年 5 月:大分県、東京都の高校がやまがたAI部へ参加。

解決における工夫点

【地域のものづくり企業/IT 企業と共に活動】

・単に、高校生に AI 学習の教材を提供するのではなく、企業の社員をコーチとして各種相談ができる体制を整備している。

・県内企業からもコーチを出すことや企業訪問を取り入れることで、高校生の県内の企業への関心を高めている。

・企業訪問時に、AI 導入・活用の具体的なアイディア提案の場を設定することで、単なる見学ではなく、仕事の内容をより深く知る活動としている。

・上記のことにより、“実践的な力を身に着けること”、“地域の企業・団体と共に活動すること”が可能となる取り組みとしている。

【社会課題/産業/スポーツを題材にした実践的・探究的な活動】

・学校単位でそれぞれが解決したい問題を課題として設定し、その課題に対して AI を用いて解決する方法を各々探究することで、AI プログラミング教育×探究活動を実施している。

・昨年度のやまがた AI 甲子園の実績(「スギ花粉散布予想 AI」「失業者数予測 AI」「豪雨予想 AI」「農産物選別 AI」等。)から、具体的な課題の解決につながることが期待される。

【複数の学校がオンラインと実地活動のハイブリッドで連携】

・コロナ感染症の拡大を防止するため、オンデマンドによる講座や Web 会議ツールを用いたオンラインコミュニケーションを基本としつつも、現場を体験できるよう実地活動も取り入れている。 

事例による成果

【活動実績】

 ・オンライン座学 2020 年度 22 回、2021 年度5回+オンデマンド配信 21 回

 ・実地活動(企業見学)実施回数 2020 年度4回、2021 年度7回

 ・AI 甲子園の開催 2 回(2020/3/7、2021/3/26)

【取組を通じた AI 人材の育成数】

 ・2020 年度 60 人(参加高校 11 校)2021 年度 99 人(参加高校 13 校)

【参加校数】

 ・2022 年度 24 校(将来的に県内高校の9割参加を目指す)

【中間目標】

 ・若年層 AI 人口割合 東北1位

 ・女性 AI 人材 女性データサイエンティスト率 東北1位

 ・起業率 全国平均以上 ・テレワーク率 東北1位

 ・時短勤務女性の平均時給 東北1位

 ・女性平均収入 東北1位 ・世帯収入 東北1位

 将来目標として、いずれも全国一位を目指す。


● 令和 4 年 11 月、やまがたAI部運営コンソーシアムが東北経済産業局が実施する「TOHOKU DX大賞」の支援部門で最優秀賞(東北経産局長賞)を受賞。
(やまがたAI部「やまがたAI部運営コンソ TOHOKU DX大賞の最優秀賞を受賞」参照。)
 
 【TOHOKU DX大賞】:

 デジタル技術を駆使して DX に挑戦する企業や、DX に資する人材育成等の支援を積極的に展開する企業又は団体の取組のうち、特に優れたものを表彰し、広く発信することにより、東北地域における DX を推進することを目的に、「TOHOKU DX 大賞」を 2021 年度より実施。(東北経済産業局 Press Release 2022年11月16日「「TOHOKU DX 大賞 2022」受賞者を決定しました 」より。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2020 年8月~継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 山形県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●2022年度 夏のDigi田甲子園

・山形県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/yamagata.html

・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/06-1.pdf

●デジ田メニューブック

・『やまがたAI部』(産学官連携による高校生のためのAI教育)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0015.html

■政府インターネットテレビ

・山形県山形市|『やまがたAI部』(産学官連携による高校生のためのAI教育)|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24742.html

■山形市
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/

・山形市スマートシティ推進計画 令和4年3月
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/130/sumartcity.pdf

・令和4年2月14日 市長臨時記者会見(令和4年度当初予算案の概要について)令和4年4月28日更新
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006793/1006796/1009016.html

・令和4年8月8日 市長記者会見 令和4年8月8日更新
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006793/1009383/1009830.html

・市長のやまたが自慢「やまがたAI部」令和3年9月28日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006787/1006788/1005520.html

・市長室だより(令和3年3月)令和3年9月28日「3月7日(日曜)やまがたAI甲子園」
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006803/1006804/1005673.html

・第2回総合教育会議事録(令和3年2月3日開催)
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/474/nam9nr.pdf

・広報やまがた 令和3年5月1日号
クローズアップ やまがたAI甲子園 山形西高校が3冠
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/009/236/20210501.pdf

■山形AI部
https://www.yamagata-ai.org/

・AI部とは
https://www.yamagata-ai.org/about

・TOHOKU DX大賞 最優秀賞​の受賞決定 令和4年11月16日
https://www.yamagata-ai.org/news/tohoku-dx-

・やまがたAI部運営コンソ TOHOKU DX大賞の最優秀賞を受賞
https://www.yamagata-ai.org/news/ai-tohoku-dx

・クラウドファンディングのご報告
https://www.yamagata-ai.org/cfreport

■東北経済産業局

・TOHOKU DX大賞;求む!Digitalの挑戦者達 TOHOKUのX(変革)へ
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/index_dx.html

・Press Release 2022年11月16日「「TOHOKU DX 大賞 2022」受賞者を決定しました 」 
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/topics/pdf/221116.pdf

■超教育協会

・山形の企業、大学、行政が協力しあい、高校生に先進のAI教育を行う 第91回オンラインシンポレポート・前半 2022.7.15 
https://lot.or.jp/project/9319/

■READYFOR

・山形県の未来を高校生が変える!スタートは「やまがたAI部」から
https://readyfor.jp/projects/yamagata-ai/announcements

■ヤマガタデザイン株式会社

・高校生AI教育支援活動「やまがたAI部」にご支援をお願いします NOVEMBER 25, 2020   
https://www.yamagata-design.com/press-room/yamagata-ai

関連する図表・動画

●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【山形県山形市】『やまがたAI部』(産学官連携による高校生のためのAI教育)
https://www.youtube.com/watch?v=BD58ZB4h21U

事例に関する問い合わせ先

山形市総務部秘書課秘書係
Tel: 023-641-1212(代表)
E-mail: hisyo@city.yamagata-yamagata.lg.jp

やまがたAI部運営コンソーシアム事務局
問い合わせフォーム:https://www.yamagata-ai.org/contact

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