島根県出雲市「“チームルピナス”(LINE を利用した情報共有)プロジェクト」

展開地域名: 島根県出雲市

分野:
医療
介護
医療・介護従事者支援
キーワード:
業務効率化
ワークフロー
コミュニケーションツール
IoT
スマホアプリ活用

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解決すべき課題

■医療・介護関係者の連携により、各職種の専門知識を活かしたケアプランを作成し、その人に合った在宅医療・介護を提供していくことが求められている。中でも不安の大きい入退院時に、在宅時に関わっていた専門職と病院が円滑に連携できることは、退院後を自宅で過ごせるかにも関わる重要課題。

● 各専門職が集まる場においては、他職種の取組が分かりにくいとか、自分たちの職種内においても、情報伝達に時間がかかり、職種ごとの団体等に所属しないと情報が受け取れないなど、情報連携手段を求める意見が多く聴かれた。

解決の手法

■「第1次出雲市在宅医療・介護連携推進計画(ルピナスプラン)」(令和 3 年 3 月策定)において、市に設置する 出雲市在宅医療・介護連携支援センター(愛称:ルピナスセンター)を結節点として、情報連携を進めることを掲げ、LINE に LINE公式アカウント“チームルピナス”を開設することとした。

【在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)】:

 医療と介護に従事する専門職向けに、医療と介護の両方を必要とする高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療と介護の相互が有機的に連携し、継続的な在宅医療と介護を一体的に提供していくため、在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)を策定した。

 本計画は、平成 29 年(2017)7 月に策定した「在宅医療と介護連携のための指針」の策定趣旨を引き継ぎ、これまでの事業着手の段階から連携深化の段階へ進むにあたり、目指すべき高齢者の姿を明確にし、それを実現させるための事業実施の方向性を示すもの。

 「ルピナス」について:本計画にある「在宅医療・介護連携」「多職種連携」を推進するために、医療・介護関係者が、常に連携を念頭に日々の職務にあたることが望まれている。そこで、マメ科の植物で、花言葉は「いつも幸せ」「多くの仲間」である「ルピナス」から、連携を意識する合言葉を「ルピナス」とし、医療と介護が連携する取組や多職種で実施する取組に使用する。

(出雲市「【医療・介護関係者向け】在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)の策定について」、「第一次在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)」参照。)

● ルピナスセンターは、令和 3 年 10 月に LINE公式アカウント“チームルピナス”を開設し、医療・介護関係者(個人)多数により登録されている。“チームルピナス”では、在宅医療・介護を担う多職種からなるチームのつながりの強化に向け、他の分野への理解を深めたり、「人」や「考え」と出会う機会についての以下のような情報を提供している:

・多職種に参加してほしい研修や講演会の案内

・多職種に知ってほしい取組等の情報発信

・連携に必要な情報サイト等の紹介(訪問看護ステーションの受入状況等)

(出雲市「第8期出雲市高齢者福祉計画・介護保険事業計画の進捗状況について」参照。)

● “チームルピナス”LINE では、来庁や電話による相談が難しい医療・介護関係者でも、時間や場所を気にすることなく、ルピナスセンターに LINE で相談できる機能を準備した。

● これまで十分でなかった医療・介護連携のベースとなる多職種の人と人とのつながりづくりに向け、一緒に参加できる研修会や他職種の取組等の情報共有を図る。市が LINE を開設し、情報発信していることが、こうした場への参加の後押しとなり、多くの参加者のつながりを生むことにも期待している。

● ケアマネジャーと医療・介護関係の多職種とのつながりを強め、ケアプランがより充実したものになれば、市民の在宅介護の不安を軽減できる。

解決における工夫点

・現在多くの人が活用しているアプリ「LINE」を利用することで、誰もが気軽に登録し利用できるシステムとした。

・既存のアプリを活用しているので、多額の導入経費やメンテナンスに手間がかからない。

・情報を投稿したい職能団体の負担軽減と情報チェックを兼ねて、市の在宅医療・介護連携支援センターが情報を受付・発信している。

・チャット機能により、時間や場所を気にせず問合せができるよう準備した。(個人情報は掲載しない。)

事例による成果

● チームルピナスの人数 353 人 (R4.4 月末現在)

● チームルピナスの発信数 41 件 (R3.11 月本格運用~R4.4 月末)


【今後の展望】

● 発信できる情報や、チャット機能を使用した相談について、改めて周知して情報収集を図る。

● 情報収集・情報提供等のツールとして、更に多くの関係者に登録してもらい、医療・介護関係者間の連携を促進する。

● 市が、専門職が提供する在宅医療・介護連携のために求める情報を精査し、更に必要とされる情報提供ツールになるよう検討していく。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2021 年 11 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 島根県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●2022年度 夏のDigi田甲子園

・島根県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/shimane.html

・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/32-2.pdf

●デジ田メニューブック

・"チームルピナス"(LINEを利用した情報共有)プロジェクト
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0106.html

■政府インターネットテレビ

・島根県出雲市|“チームルピナス”(LINEを利用した情報共有)プロジェクト|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24863.html?nt=1

■出雲市

・【医療・介護関係者向け】在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)の策定について 登録日:2021年4月5日
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1617336227865/index.html

 ー第一次在宅医療・介護連携推進基本計画(ルピナスプラン)
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1617336227865/files/keikakusyo_2103.pdf

・第8期出雲市高齢者福祉計画・介護保険事業計画の進捗状況について
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1621499304839/simple/houkoku1.pdf

・出雲市公式LINEアカウントの運用について 登録日:2017年1月4日
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1482286382854/index.html

■Facebook

・「縁結びのまち 出雲」
https://m.facebook.com/izumo.city/posts/2786489548163536/

■島根県

・第1回「夏の Digi 田甲子園」 島根県推薦市町村の決定について
http://www3.pref.shimane.jp/houdou/uploads/156939/137655/738b15a14c38f296bab2c1f449f907ee.pdf

関連する図表・動画

●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【島根県出雲市】“チームルピナス”(LINEを利用した情報共有)プロジェクト
https://www.youtube.com/watch?v=IN-AB2pW7-s

事例に関する問い合わせ先

健康福祉部 医療介護連携課
Tel: 0853-21-6906
E-mail: iryou-kaigo@city.izumo.shimane.jp

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