宮崎県都城市「デジタル化こそアナログで!~誰一人取り残されないデジタル社会実現プロジェクト~」

展開地域名: 宮崎県都城市

分野:
住民窓口サービス
教育
デジタルデバイド対策
キーワード:
人材育成
ワークフロー
コミュニケーションツール
マイナンバーカード
IoT

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解決すべき課題

■都城市では、全国の自治体に先駆けて令和元年8月に「デジタル化推進宣言」を行った際に不安の声が上がっていた。実際に、都城市における市民意識調査内で、デジタル化が進むに当たり不安に思うことは、第1位が「個人情報やプライバシー保護」、第2位が「デジタル機器・技術への適応」であった。セキュリティへの不安、デジタル技術への適応不安というのが市民が抱える大きい二つの不安であり、セキュリティ対策等について伝える場や丁寧にデジタル活用を支援する機会が求められていた。

● セキュリティ面については、個別具体の技術的不安というよりも、デジタル技術がよくわからないことに起因する不安が多かった。また、デジタル技術への適応不安については、身近なスマートフォンの使い方はもちろんのこと、キャッシュレス決済やオンラインショッピング、行政手続き等、きめ細かいテーマ設定を行った上で、支援を行う必要があった。加えて、マイナンバーカード交付率が高いことから、マイナポイント事業等を始めとして、市の支援により市民がデジタル化の大きな恩恵を受ける機会も多かった。

解決の手法

■人と人との繋がりで、誰一人取り残されない社会を実現するためのプロジェクトを、「行政手続きを徹底支援」、「協議会によるデジタル活用支援」、「都城市商業高校との連携」、「多様なデジタル活用支援」の4つのテーマで実施している。

●行政手続きを徹底支援:

・都城市は、マイナンバーカード交付率が5月1日時点で 79%と全国の市区別1位であり、これを支えるのが「都城方式」と呼ばれるタブレットを使いカードの申請を補助する仕組みである。令和3年度に全国初として導入したマイナンバーカード申請専用車両、マイナちゃんカーは、1人からでも自宅に行き申請支援をしており、徹底的なデジタル活用支援に努めている。

 【マイナちゃんカー】:

  マイナンバーカード申請補助用自動車。マイナンバーカードの申請補助に市職員が自宅を訪ねて、市役所に出向くことやインターネットでの申請が難しい人に対して、マイナンバーカードの申請をサポートする。
 (都城市「【おひとり様大歓迎!】マイナちゃんカーでマイナンバーカードの出張申請受付!」より。)

・総務省マイナポイント事業、特別定額給付金事業、自治体マイナポイントモデル事業、新型コロナワクチン接種証明書アプリ等も、市がサポート窓口を開設し、高齢者等もデジタル化の恩恵を実感できるようにしている。現在も、保険証利用設定及び公金口座利用登録支援を全面的に行っている。


●協議会によるデジタル活用支援:

・令和2年度に、シフトプラス(株)、学校法人コア学園、(株)ケイディ商事、都城市を含む産学官で協議会を設立し、学生をアシスタントとして活用し、「孫世代による支援」を行った。この成果が認められ、都城市は総務省のデジタル活用支援アドバイザリーボードの関係団体にも選ばれており、デジタルの日に全国でデジタル活用支援を行うことを提案する等、都城市の取組・知見が全国展開されている。

・令和3年度にも総務省のデジタル活用支援事業に参画、協議会での独自実施分も含めて、コンビニ交付体験やキャッシュレス決済体験等も交えた講習会を開催しているほか、令和4年度には地域おこし協力隊を活用することで、中山間地域を中心として、公共交通機関等が不便な地域に出向いて相談を受け付けるスキームを確立している。


● 都城市商業高校との連携:

・都城商業高校と連携協定を締結し、高校生による高齢者のデジタル活用支援に取り組んでいる。

 ー近親者や地域等の身近な高齢者からのヒアリング困りごとの解決策を考えるとともに、解決策を模索する等の支援。


●多様なデジタル活用支援:

・親子プログラミング教室や障がい者向けのネットモラルに係る講座やプログラミング体験会も実施しており、様々な層をとりこぼさないように取組を進めているほか、市内携帯ショップともキャリアを問わず、適宜連携している。

・さらに、高齢者のトップランナーである若宮正子氏を市広報誌で特集、高齢者目線でのデジタル化の意義や「つまずいて当たり前」といった高齢者がデジタルに触れる際の考え方をわかりやすく市民に伝えている。

解決における工夫点

・都城市は、デジタル活用支援の基本的な考え方として、「デジタル化こそアナログで」を掲げ、慣れるまで徹底的に支援を行っている。

・産学官と地域の多様な主体を巻き込んだ取組となっており、特に高齢者が気軽に色々と聞きやすく、デジタル力が高い「孫世代」を巻き込むことで、世代間交流も図ることができる等、効果が多面的に広がる取組となっている。

・一般的にデジタル活用支援=スマートフォンの使い方となりがちであるが、都城市ではAIスピーカー、キャッシュレス決済、コンビニ交付等の多様なデジタル技術を体験型で実施している。

・また、高齢者のみならず、障がい者等の多様な主体を対象としている点や高齢者目線で伝わる広報を実施している点が特徴的である。

事例による成果

● 総務省マイナポイント事業、特別定額給付金事業、自治体マイナポイントモデル事業、新型コロナワクチン接種証明書アプリ等については、支援窓口を設置。総務省マイナポイント事業で人口の約1割に当たる 15,000 人以上、自治体マイナポイントモデル事業においては、約 20,000 人の支援を実施しており、他自治体と比較しても圧倒的に多い実績である。

● また、デジタル活用支援講習会も令和2年度から令和3年度にかけて、計 36コマ実施したほか、相談会形式でも 6 コマ実施し、延 518 人が受講している。

● 親子プログラミング教室の参加者は延 105 人、障がい者向けのデジタル活用支援については、延 65 人が参加している。また、講習会をきっかけにマイナンバーカードを取得した者も多く、講習会受講者の取得率は9割を超えたほか、体験会により、実際にキャッシュレス決済を始めた受講者がいる等、生活の質の向上に貢献している。


【今後の展望】

都城商業高校との連携は、横展開を図っていく。デジタルにおいても、共助の考え方が重要であるため、デジタル庁が配置する「デジタル推進委員」についても、地域企業や地域事業者等と連携して、積極的に発掘、活用を行いたい。また、メディアリテラシー向上にも取り組みたい。

事例の継続性

継続運用中

参考資料

本事例は、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■Digi田甲子園(夏) 宮崎県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/miyazaki.html

・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/45-2.pdf

■政府インターネットテレビ

・宮崎県都城市|デジタル化こそアナログで!~誰一人取り残されないデジタル社会実現プロジェクト~|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24732.html

■宮崎県

・令和4年度「夏のDigi田甲子園」推薦者の決定について 2022年6月13日掲載 2022年6月14日更新
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/digital-suishin/kense/johotsushin/20220610121646.html

■都城市

・デジタル関連事業に係る連携協定を都城商業高校と締結しました! 記事ID:0039964  2021年10月1日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/39964.html

・定例記者会見資料(令和3年 10 月1日)都城商業高校とデジタル化に係る連携協定を締結します!
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/attachment/18704.pdf

・令和3年10月1日(金曜日)の定例記者会見 記事ID:0039917 2021年10月1日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/site/mayor-room/39917.html

 ー令和3年10月記者発表資料
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/attachment/18721.pdf

・デジタル化×民間連携
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/life/5/61/592/

・市政情報
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/life/5/index-2.html

・都城市DX推進計画を策定しました! 記事ID:0052459  2023年1月20日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/52459.html

 ー01_都城市DX推進計画_概要版
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/attachment/25629.pdf

 ー02_都城市DX推進計画_基本計画  令和5年1月 都城市
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/attachment/25631.pdf

 ー03_都城市DX推進計画_実施計画  令和5年1月 都城市

・「夏のDigi田甲子園」本選出場決定! 記事ID:0046880 更新日:2022年6月14日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/46880.html

・デジタル統括課(本庁舎4階)
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/

・「都城市スマートシティ推進協議会構築事業委託」について、公募型プロポーザルを実施します! 記事ID:0045437  2022年4月15日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/45437.html

・マイナンバーカード普及のトップランナー、都城市と兵庫県養父市が連携してカード利活用の検討を進めます! 記事ID:0051398 2022年12月2日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/51398.html

・【おひとり様大歓迎!】マイナちゃんカーでマイナンバーカードの出張申請受付!
記事ID:0037808 2022年8月16日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/24/37808.html

・広報 都城 令和3年8月
総務省の「デジタル活用支援推進事業」に採択 みんなで取り組むデジタル化!
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/attachment/17725.pdf

・令和4年度もデジタル活用支援事業を実施します! 記事ID:0046011 2022年11月25日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/46011.html

・デジタル活用支援事業(相談会)を実施します! 記事ID:0051437 2022年11月25日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/51437.html

・令和4年度当初予算の概要を紹介します 記事ID:0044032 2022年2月22日更新
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/19/44032.html

ーNo.2 令和4年度当初予算 説明資料
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/life/44032_67939_misc.pdf

ーNo.3 令和4年度当初予算 特色のある主な事業
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/uploaded/life/44032_67941_misc.pdf

■総務省
・デジタル活用支援アドバイザリーボード御説明資料 デジタル活用支援推進事業の実施準備状況について 宮崎県都城市
https://www.soumu.go.jp/main_content/000743461.pdf

■朝日新聞デジタル
・2021年10月6日 都城市が都城商高とデジタル連携協定
https://www.asahi.com/articles/ASPB56SRCPB1TNAB00M.html

事例に関する問い合わせ先

デジタル統括課
Tel:0986-23-2156
問い合わせフォーム:https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/form/detail.php?sec_sec1=103&lif_id=50576&check

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