国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 安田・遠藤・浦田研究室「産学官民連携による観光DX~高山市におけるデータの地産地消~」

展開地域名: 岐阜県高山市

分野:
住民窓口サービス
観光
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解決すべき課題

■高山市ではこれまで、WiFi パケットセンサーや ETC を活用した調査、人手によるリサーチなど、関係団体などと共同で観光客の動向チェックを行ってきた。しかし、“調査期間や時間が限られる”、“コストがかかる”といった課題があった。
(NECソリューションイノベータ「画像による人物像分析システム「FieldAnalyst」 導入事例:岐阜県 高山市様例)」より。)

解決の手法

■高山市、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、NEC ソリューションイノベータ(株)が連携し、NEC ソリューションイノベータのシステム画像による人物像分析システム「FieldAnalyst」を活用し人流データを取得する取り組みを実施。

・FieldAnalyst:カメラに映りこむ通行人の顔を補足し、AI が「性別と年齢」をその時刻とともに記録することができるもの (「高山市×名古屋大学× NEC ソリューションイノベータ 連携協定「 ICT を活用したまちづくり」令和 2 年 10 月」より)。

● 高山駅前、古い町並、大政、宮川朝市、高山駅改札口付近の 5 か所で AI 顔認識システムによる人流量計測を令和 2 年 4 月 以降実施。性別、年齢、検知時刻データ、人流の方向を集積、分析し、観光客等の属性分析をする。(高山市「ICTを活用したまちづくり」参照」。)

● 市では、まちなか 5 ケ所に導入したAI(人工知能)による顔認識システムから得た通行人数の計測(24 時間稼働)を行い、データを公開している(個人を特定する情報は一切含まない)(高山市「AIによる人流量計測」参照)。


【これまでの取り組み】

● 令和元年 10 月に、NECソリューションイノベータのシステム画像による人物像分析システム「FieldAnalyst」を活用し、同市本町 3 丁目 EaTown の軒先にカメラおよびシステム 1 式を設置し一定期間の情報採取を行った。人道橋の施工前、竣工後でその周辺の通行量がどのように変動するか確認することを目的とし、名古屋大学、NECソリューションイノベータの協力の下、広報情報課と商工課が共同で実証実験を実施した。蓄積したデータに、名古屋大学にて天気、気温、曜日、イベントの有無などを加味した集計、分析結果を作成。

● 令和 2 年 10 月 22 日に高山市、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、NECソリューションイノベータ(株)が連携し、「ICTを活用したまちづくり」の推進に取り組むため、「ICTを活用したまちづくりに係る連携協力に関する協定」を締結。産官民で三者がお互いの得意分野で協力し、飛騨市高山におけるデータの地産地消を目指す。
(高山市「ICTを活用したまちづくり」、「高山市×名古屋大学× NEC ソリューションイノベータ 連携協定「 ICT を活用したまちづくり」令和 2 年 10 月」参照。)

● 同年、新型コロナウイルスの影響について定量的に図ることおよびコロナ終息後における観光客等の復帰状況を正しく把握するために高山市で2か所への人流カメラ導入を決める。連休前への導入をめざし、市では関係者の調整に加え、自ら設置工事等を担うことで、短期間での導入を実現することができた。

● また、当初、市職員による人力によるデータ収集を行っていたが、NEC ソリューションイノベータおよび名古屋大学の協力によりクラウド上に準備した環境へのデータ自動アップロード環境を提供することとし、市として有益となるようその他のデータとの複合分析を行うことができるよう開発、改善を行っている。

(高山市「高山市×名古屋大学× NEC ソリューションイノベータ 連携協定「 ICT を活用したまちづくり」令和 2 年 10 月」参照。)


● 令和 3 年 3 月から、自主的に来庁を控えたり、時間をずらすことで待ち時間の減少や混雑の分散を図る目的で、高山市役所本庁舎 1 階市民課窓口の混雑状況の可視化を実証実験を実施(高山市「ICTを活用したまちづくり」参照)。

● AI カメラ等の機器を更新するとともに、設置場所として新たに庁舎駐車場を追加し、一層便利で分かりやすいシステムとして令和 4 年 4 月より運用開始。
(高山市「記者発表資料①令和 4 年 4 月 25 日 AI を活用した混雑状況計測システムの更新について」参照。)

● 現在は、観光地の 14 カ所に AI カメラを設置し、24 時間人流データを収集。

解決における工夫点

● 地元の方々との共創:

・ワークショップを開催し、約 50 名・17 団体の方々との話し合いから観光まちづくりの方向性を決めてきた。

事例による成果

● 飛騨市の飲食店では人流データをもとに閉店時間を最適化し、最大 27 % の売り上げアップを果たした。

● 人流データを活用して開発した「飛騨高山散策Webマップ」は、公開から 2 か月間で 6,929 回アクセスされた。

● 本取り組みは、2022年度 冬のDigi田甲子園でベスト 8(審査員評価1位)に選ばれた。

● 他、以下の賞を受賞:

・アーバンデータチャレンジ2021 with 土木学会インフラデータチャレンジ2021(一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)主催)ビジネス・プロフェッショナル部門優秀賞(Urban Data Challenge「アーバンデータチャレンジ2021審査結果」参照)

・第18回 観光情報学会全国大会 大会優秀賞(2022 年12月公表)

事例が与えた影響

● 本取り組みは愛知県の円頓寺商店街にも横展開される等、データドリブンなまちづくりとしても注目されている。 

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2019 年~継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度 冬のDigi田甲子園 産学官民連携による観光DX~高山市におけるデータの地産地消~」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●2022年度 冬のDigi田甲子園

・産学官民連携による観光DX~高山市におけるデータの地産地消~ 
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/0030.html

・冬のDigi田甲子園 結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/index.html

■政府インターネットテレビ

・【国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 安田・遠藤・浦田研究室】産学官民連携による観光DX〜高山市におけるデータの地産地消〜
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg26003.html

■NECソリューションイノベータ

・画像による人物像分析システム「FieldAnalyst」 導入事例:岐阜県 高山市様例
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/fieldanalyst/fa_01/case-takayama.html

・FieldAnalyst
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/fieldanalyst/lp/

■高山市

・高山市における「地域づくりDX」
https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/278824.pdf

・高山市における顔認識システムを用いた来訪者の分析
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/977/houkokusho.pdf

・ICTを活用したまちづくり 令和5年3月9日
https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1005252/1013124.html

 ーICTを活用したまちづくりに係る 連携協定の取り組み内容
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/124/rennkeikyoutei.pdf

 ー高山市×名古屋大学×NECソリューションイノベータ 連携協定「 ICTを活用したまちづくり 」令和2年10月
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/124/ictnomatidukuri.pdf

 ー記者発表資料①令和 4 年 4 月 25 日 AIを活用した混雑状況計測システムの更新について
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/124/20220425ai.pdf

 ーデジタルなんでも相談会チラシ
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/124/digitalsoudannkai.pdf

 ーデジタル体験会資料android版
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/124/digitalandroid.pdf

・AIによる人流量計測 令和5年3月9日
https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1000062/1004915/1012977/index.html

ーまちなか4ケ所の人流量計測結果(グラフ)
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/977/20210421-20230226.pdf

ーまちなか5ケ所の人流量計測結果(天候、気温込グラフ)
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/977/20220707-31jinryu.pdf

・高山市オープンデータの推進に関する基本方針
https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/628/opendata_kihonhoshin.pdf

■飛騨・高山観光公式サイト
https://www.hidatakayama.or.jp/pdf/

・パンフレットダウンロード
https://www.hidatakayama.or.jp/pdf/

・飛騨高山散策Webマップ
https://mdg-web.main.jp/takayama/#/main

■名古屋大学 安田・遠藤・浦田研究室
https://mdg.si.i.nagoya-u.ac.jp/

■Urban Data Challenge
https://urbandata-challenge.jp/

・アーバンデータチャレンジ2021審査結果
https://urbandata-challenge.jp/news/udc2021prize

■観光情報協会

・表彰 令和4年7月30〜31日 観光情報学会第18回全国大会(公立はこだて未来大学/オンライン) 
http://www.sti-jpn.org/award

■DIGITAL SHIFT TIMES

・NTT西日本、名古屋大学ら、商店街での産官学民連携のイノベーション創出を目指し「AIラボ」を設立し共同研究を開始 2022年4月22日 公開

関連する図表・動画

●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・30.【国立大学法人名古屋大学 安田・遠藤・浦田研究室・岐阜県】産学官民連携による観光DX〜高山市におけるデータの地産地消〜
https://www.youtube.com/watch?v=taSeptHSwwU

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