国立大学法人九州大学、人吉市、九州G空間・Lアラート事業共同企業体「流域圏におけるLアラートを活⽤したG空間防災⽀援業務システムの開発実証」

展開地域名: 熊本県人吉市

分野:
防災
キーワード:
自動化
業務効率化
コミュニケーションツール
IoT

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解決すべき課題

■山間部や過疎地等における豪雨・洪水の迅速把握及び情報伝達が課題となっている現状を踏まえ,このような地域において自然災害による被害状況を的確に把握し,多層的かつ多様なメディアによる情報伝達の実現。

● 熊本県人吉市では、昔から洪水による災害を受けてきている。

(総務省「G空間技術を活用した地域連携型防災まちづくり事業」、「G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業」(PDF)参照。)

解決の手法

■熊本県人吉市の球磨川流域において、2013 年度補正G空間シティ構築事業で構築・実証した防災G空間情報基盤及び各システムに、Lアラートを連携させることができれば、さらなる防災報の伝達手段の充実を図ることができると考え、Lアラート(※)の仕組みを導入した「防災業務支援システム」を構築した。

 ※Lアラート:災害情報を地域住民にいち早く届けるための仕組み。地方自治体などが発信する地域(Local)の災害情報を集約し、テレビやネット等の多様なメディアを通して一括配信する共通基盤(総務省「G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業」より)。

また、以下2点を⽬的とし、構築した防災業務⽀援システムの利⽤実証を⾏った:

① 従来の⽔位や⾬量等の気象情報に加えて、災害予測情報や投稿情報などのG空間情報をもとに、住⺠への避難勧告の発令、関係職員及び⾃治体間の情報共有・伝達など、各種防災対策での総合的な判断を⾏うための⽅針を策定。

② 熊本県が前年度導⼊したアラートを介して災害情報を配信するにあたり、防災業務⽀援システム等を利⽤し、伝達内容の作成や⼊⼒の負担軽減、配信する情報の充実を図る。

● 実証概要:

・実証Ⅰ 災害時の情報収集と集約結果に基づく判断、情報伝達に関する方法と基準に関する検討

・実証Ⅱ Lアラート配信を考慮した防災G空間情報基盤の構築

・実証Ⅲ 流域圏の防災業務支援システムの構築

・実証Ⅳ 災害対策の高度化及び実装化に資する利用実証


●システム概要:

・本事業で構築した「防災業務支援システム」は、❶「防災G空間情報基盤」、❷「災害対策本部システム」、❸「参加型情報収集システム」から構成される。

 ❶「防災G空間情報基盤」:

   背景地図や防災に関連する様々なG空間情報、さらには当該システムで入力した情報を蓄積し、インターネットで配信する基盤。

 ❷「災害対策本部システム」:

   Lアラートや情報発信者から入手した情報を、「防災G空間情報基盤」を介して可視化し、県や市町村の意思決定を支援するシステム。同システムで登録した情報は、Lアラートにも容易に配信できる機能を有する。

 ❸「参加型情報収集システム」:

   現地の様々な災害情報を、携帯端末を用いて集めることができるとともに、地域の Lアラート情報を受信し、流域圏の情報と組み合わせて防災情報をスマートフォンやパソコンで確認できる。

(総務省「G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業」(PDF) 参照。)

事例による成果

■成果概要:

● 各種防災情報の可視化による状況把握・判断及び情報伝達の⾼度化

● Lアラートと地図情報が連携した防災・災害情報の受発信の⾼度化

● G空間情報、防災業務⽀援システムを活⽤したLアラート配信作業負担の軽減

● 災害対策対応後の事務処理の効率化

● 災害時における伝達⼿段の充実とLアラートの利活⽤促進

(総務省「G空間防災システムとLアラートの連携推進事業「流域圏におけるLアラートを活⽤したG空間防災⽀援業務システムの開発実証」九州⼤学(球磨川流域(熊本県⼈吉市))」より。)


■実証についての成果:

● 実証Ⅰ 災害時の情報収集と集約結果に基づく判断、情報伝達に関する方法と基準に関する検討:

・抱える課題とそれに対する改善点を提示した。

● 実証Ⅱ L アラート配信を考慮した防災G空間情報基盤の構築:

・情報の整理と収集に伴う課題を抽出し、LアラートにG空間情報を組み込むための拡張仕様を検討し、流通試験を実施した。

● 実証Ⅲ 流域圏の防災業務支援システムの構築:

・① 災害プロジェクト管理機能、② 氾濫シミュレーション結果の表示機能、③ 河川水位情報の可視化機能、④ ローカルデータの読み込み機能、⑤ 災害情報集約・報告支援機能を開発したことで、実際の災害対応業務に適用可能なシステムになった。

・職員のニーズに応じたインターフェースへ変更したほか、投稿情報の選別・対応優先順位設定機能を追加したことで、直感的な操作が可能となった。

・監視・観測、対策活動集約のタイムライン機能や自動待機記録作成機能を組み込み災害対応記録がナレッジ化していく仕組みに仕上がった。

● 実証Ⅳ 災害対策の高度化及び実装化に資する利用実証:

・人吉市において、刻々と変化する災害・被害の情報が入ってくる中で、防災情報基盤及び構築したアプリケーションを活用した実践さながらの図上訓練を実施した。

・また、地域防災計画へ防災業務支援システムの運用を位置づけ、市での本格運用を見据え、サービスモデル案を作成した。

・人吉市における防災業務支援システムの運用ルール案を作成、位置情報を付与した情報を Lアラートにより発信・流通させる際の課題等を整理するとともに、その対応策について検討した。

(総務省「G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業」(PDF)より。)

事例の継続性

不明

参考資料

本事例は、「総務省 G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■総務省

・G 空間防災システムと L アラートの連携推進事業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000429857.pdf

・G空間防災システムとLアラートの連携推進事業
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/95151.html

・参考資料2 G空間防災システムとLアラートの連携推進事業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000390993.pdf

・G空間防災システムとLアラートの連携推進事業「流域圏におけるLアラートを活⽤したG空間防災⽀援業務システムの開発実証」九州⼤学(球磨川流域(熊本県⼈吉市))
https://www.soumu.go.jp/main_content/000391681.pdf

・G空間技術を活用した地域連携型防災まちづくり事業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000352871.pdf

・G空間シティ構築事業 採択事業 人吉市 G空間技術を活用した地域連携型防災まちづくり実証事業
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/geo-spatial_ict/g-city/project/p06.html

・ICT 地域活性化ポータル G空間技術を活用した地域連携型防災まちづくり実証事業
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/2017_004.html

・ICT 地域活性化ポータル Lアラート
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/jirei/2017_003.html

■熊本県

・第5回 DXくまもと創生会議 日時:令和4(2022)年2月25日(金)
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/127647_242804_misc.pdf

・令和3年度修正 熊 本 県 地 域 防 災 計 画( 資 料 編 )  熊 本 県 防 災 会 議
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/99346_158199_misc.pdf

■熊本経済

・G空間情報活用し新産業創出コンソーシアム立ち上げへ~地場産学官 2018年3月13日(火)
http://www.kumamoto-keizai.co.jp/content/asp/dejikame/dejikame_detail.asp?PageID=20&Knum=19139&PageType=top

■WEB建設速報

・「G空間シティ構築(実証)事業」の委託先候補を10事業決定 防災・減災や医療・観光に活用―総務省 2014/07/25
https://www.kensetusokuho.jp/kensetsu/articles/show/33014

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