福島県福島市「「議会答弁検討システム」で事務負担・印刷物を大幅削減」

展開地域名: 福島県福島市

分野:
自治体内部業務改善
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
コミュニケーションツール
IoT

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解決すべき課題

■ 議会答弁をまとめる⼀連の業務における、バックヤードの職員にかかる負担の改善。

● 特に総務課は部局、議員ごとに答弁案を整理し、印刷して庁内に配布するなど事務負担が大。市の 1 議会あたりの質問数は約 350 問で、印刷枚数は 1 問につき 1 枚程度としても、庁内でのやりとりや議会用に人数分をそろえると、優に 1 万枚を超えた。
(朝日新聞DIGITAL「議会の答弁作成、負担減らすシステム開発 多忙な職員を助けるために」参照。)

解決の手法

■市議会の質問取り、答弁作成、答弁検討の⼀連の流れ全てにおいて、Word/Excel データ・紙媒体による作業を無くし、内製システムにデータを集約することで、全庁情報共有による答弁検討業務に移⾏した。

● 議会答弁に関連する⺠間ソフトウェアは⾒あたらず、⾃らの⼿で部局を超えて使えるデータベースシステムを作ることで省⼒化を図り、併せてペーパーレス化したいと考え、 Microsoft Access をフレームに、VBA、ADO、SQLを使い、「議会答弁検討システム」を開発した。

解決における工夫点

・平成 30 年の開発当初より、アジャイル的に機能改善を繰り返した。開発側、担当者も同じ職員という意⾒交換しやすい環境の中で、細かな要望にも、僅かでも業務時間を短縮できるなら機能に組み込み「現場に即した仕様で効率が良いもの」に成⻑していった。

・庁内業務サーバーに全職員がアクセスできる領域を設置。その領域にデータを置いてリアルタイムに共有することで、「紙を運ぶ」、「データを送る」といった情報の受け渡しを無くした。
(福島市「記者発表資料(2) 本市初の自治体ビジネス始動市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化 」より。)

事例による成果

■内製「議会答弁検討システム」に、市議会の質問取り〜答弁作成〜答弁検討におけるデータを集約し全庁情報共有。作業時間削減等の業務効率化とペーパーレス化を実現。

● 事務負担と業務時間の削減:

①「集約」、「印刷」、「丁合」、「差し替え」といった答弁取りまとめ課のバックヤード業務が一切無くなった。

② 各課職員が紙の受け渡しに答弁取りまとめ課に足を運んだり、データを受け渡す作業がなくなった。

③ 市長との答弁検討会 1 回開催あたり 10 時間から 5 時間に 50 % 時間が削減された。

(福島市「記者発表資料(2) 本市初の自治体ビジネス始動市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化 」より。)

● ペーパレス化:

・市⻑との答弁検討会で年間約 11,000 枚削減、答弁書で年間約 44,000 枚削減(年間合計 55,000 枚)

● 職員からは、「他の⼈が書く答弁をリアルタイムに参照できて便利」、「過去の類似データを検索、引⽤できて良い」、「ワードに質問を⼊⼒してから書き始めるのではなく、質問を選んで⼊⼒という⼿順がラク」との声が寄せられている。

【今後の展望】

● 本システムは⺠間事業者にて商品化が進められている。現在 100 を超える⾃治体から問い合わせがあり、当市システムを流⽤することで、広く事務改善が低コストで図られることを期待。

・本システムをベースとした WEB システムを ㈱ エフコムが開発。商品として ㈱ ぎょうせいが全国の自治体に向けて販売することとなった。

・令和 4 年 11 月 1 日(火)~ 2 日(水)に「JLIS 地方自治情報化推進フェア」(幕張メッセ)㈱ ぎょうせいエリア「議会答弁検討システム」ブースで紹介 。

(福島市「 記者発表資料(2) 本市初の自治体ビジネス始動市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化」参照。)

事例が与えた影響

システム導⼊にあたり「今までの仕事の流れを変えるのか」との抵抗感を持つ職員もいるので、まずは庁内 2 つの部だけで導⼊した。その後、市⻑から「答弁検討会はシステムで⾏う」との号令があり、⼀気に拡⼤した。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2018 年~継続運用中

参考資料

本事例は、「総務省 ⾃治体DX推進参考事例集【3. 内部DX】令和5年4⽉28⽇」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■総務省

・⾃治体DX推進参考事例集【3. 内部DX】令和5年4⽉28⽇
https://www.soumu.go.jp/main_content/000879053.pdf

・「自治体DX推進参考事例集」の策定 令和5年4月28日
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei07_02000152.html

・22 「議会答弁検討システム」で事務負担・印刷物を大幅削減 【福島県福島市】
https://www.soumu.go.jp/main_content/000878704.pdf

■福島市

・デジタル化の推進
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/shise/kekaku/digital/index.html

・ 記者発表資料(2) 本市初の自治体ビジネス始動市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化  令和4年10月20日
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/happyo/r04/documents/20221020-2.pdf

・福島市デジタル都市宣言 更新日:2022年11月30日
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/d-digital/chiki-digital/toshisengen.html

・お問い合わせ先一覧 更新日:2023年4月1日
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/soudansaki.html

■ぎょうせいオンライン

・【DX推進事例】 「議会答弁検討システム」でペーパレス化と事務負担軽減 信太 秀昭(福島市政策調整部 情報政策監) ICT 2021.07.30
https://shop.gyosei.jp/online/archives/cat06/0000040783

■株式会社ぎょうせい

・議会答弁検討システム 答べんりんく Touben LinQ
https://gyosei.jp/business/law/touben_linq/

■自治体ワークスWEB

・“議会答弁作成”の負担を庁内人材の活用と巻き込み力で軽減。福島県福島市 2021-12-27
https://jichitai.works/article/details/889

■朝日新聞DIGITAL 

・議会の答弁作成、負担減らすシステム開発 多忙な職員を助けるために 2023年5月5日
https://www.asahi.com/articles/ASR547W82R4BUGTB00P.html

事例に関する問い合わせ先

福島市 政策調整部 デジタル改⾰室

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