宮城県仙台市「体験型の防災学習「せんだい災害VR」」

展開地域名: 宮城県仙台市

分野:
防災
キーワード:
IoT
VR

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解決すべき課題

■平均 38 年周期で繰り返し発生する宮城県沖地震の再来に備え、災害への備えを高める。

(仙台市「仙台市地域防災リーダー SBL通信 第9号」、khb東日本放送「バーチャルリアリティで疑似体験 仙台市の取り組み」参照。)

解決の手法

■平成 14 年度から地震体験車地震体験車「ぐらら」を運用し、これまで約 26 万人の市民が地震の揺れを体験してきたが、老朽化により 2022 年 3 月に運用を終了した。

令和 4(2022)年度から、自然災害による被害を最小のものとするには、市民一人ひとりによる災害への備えや適切な避難行動が重要となり、市民の行動変容を促すのに「リアリティのある被災体験」が大変有効であることから、災害の模擬体験を通じた市民の防災・減災意識の涵養を図るために必要となる VR 技術を用いた防災啓発事業を開始。

(仙台市「仙台市地域防災リーダー SBL通信 第9号」、「災害VRコンテンツ製作業務委託仕様書」参照。)

● 「せんだい災害VR」(凸版印刷 ㈱ 提供)を 3400 万円かけて整備、 2022 年 7 月から運用を開始。「せんだい災害VR」は、VR(バーチャルリアリティー)による災害体験を通じた体験型の防災学習。地域や各種団体の防災研修会等に、無料で専門スタッフを派遣し、仮想現実による疑似体験を用いて各種災害に対する備えや具体的な対応方法等を説明する取り組み。

●「地震」、「津波災害」、「洪水・土砂災害」、「氾濫による浸水」といった 4 つのパターンがあり、専用のゴーグルで臨場感ある周囲 360 度の映像と音で疑似体験することが可能(各VR体験時間は約 4 分)。体験できる VR の種類は 1 回の利用につき 1 種類まで。

● 機器の操作説明等は本市が委託した事業者の専門スタッフが機材を普通ワゴン車1台で搬送し、地域等に赴く。利用場所に関連する費用(駐車料金、電気使用料等を含む)が発生する場合は、利用する団体で負担。

● 利用可能日は水曜日、木曜日、土曜日、日曜日となっており、仙台市内の学校、集会所、市民センター、事業所等の屋内で利用できる。屋外での利用はできない。

● 対象年齢は 7 歳以上(小学1年生以上)で、概ね 10 名以上の各種団体(学校、町内会、任意団体、事業所等)向けの利用となっており、個人での利用はできない。

●「せんだい災害VR」を利用するには、利用希望日の 3 週間前までに、受付専用ダイヤルでのの電話予約が必要。電話予約後、利用日の 10 日前までに利用申請書の郵送またはファクス専用ダイヤルによる提出が必要。


<「せんだい災害VR」の学習内容詳細>

・「地震災害編」: 日頃からの備えとして家具の転倒防止や備蓄食料等について知り、避難行動の重要性を学ぶ(全体の所要時間約 20 分)。

・「津波災害編」: 仙台市が発行する「津波からの避難の手引き」をもとに、日頃からの備えや避難時の心構えについて学ぶ(全体の所要時間約 20 分)。

・「洪水・土砂災害編」: ハザードマップの見方やマイ・タイムラインの作成方法を知り、日頃から準備するべきことや、台風や大雨時の避難の注意点について学ぶ(全体の所要時間約 50 分)

・「内水氾濫編」: 内水ハザードマップの見方や浸水時の注意点等を知り、日頃からの浸水への備えについて学ぶ(全体の所要時間約 20 分)。

事例による成果

● 令和 4 年度は、町内会等の自主防災組織や各種団体が企画する防災訓練や研修会で 91 回利用され、4,140 人に対して VR による災害体験を通じた体験型の防災学習を実施

(仙台市「チャレンジプロジェクトの自己評価 報 告 書 (令和4年度自己評価シート取りまとめ)」参照。)

・防災訓練や講習会など、町内会や地域の自主防災組織を中心に利用が増え、運用開始から半年で 62 カ所で 3233 人が体験。その引き合いは徐々に増えていた。

(khb東日本放送「災害への備えを高める バーチャルリアリティで疑似体験 仙台市の取り組み」参照。)

● 2023 年 12 月に仙台市民センターで行われた「せんだい災害VR」内水氾濫編の講座に、仙台市防災安全協会の方々が参加した。参加者からは、「VR体験はリアルな映像で本当に自分が体験したような感覚になって怖かった。」、「災害についてわかりやすく怖いということが分かった。」、「日頃から災害の備えが大切だと改めて感じた。」、などの感想があった。

(仙台市市民センター「講座レポート」参照。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2022 年 7 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「仙台市 防災訓練や防災研修会に「せんだい災害VR」をご利用ください。」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■仙台市

・防災訓練や防災研修会に「せんだい災害VR」をご利用ください。 ページID:62270更新日 更新日:2022年8月9日
https://www.city.sendai.jp/gensaisuishin/sendaisaigaivr.html

 ーせんだい災害VRチラシ
https://www.city.sendai.jp/gensaisuishin/documents/sendaisaigaivrtirasi.pdf

・チャレンジプロジェクトの自己評価 報 告 書 (令和4年度自己評価シート取りまとめ)
https://www.city.sendai.jp/machizukuri-kakuka/shise/zaise/kekaku/sogo/shinkokanri/r5/documents/r4jikohyouka1-4.pdf

・災害VRコンテンツ製作業務委託指名型プロポーザル実施要領 (令和3年9月13日危機管理局長決裁)
https://www.city.sendai.jp/anzensuishin/kurashi/anzen/documents/20211220_saigaivr_jisshiyouryou.pdf

・防災・減災アドバイザー室 ページID:693更新日:2023年4月5日
https://www.city.sendai.jp/gensaisuishin/kurashi/anzen/saigaitaisaku/sonaete/adviser/

・災害VRコンテンツ製作業務委託仕様書
https://www.city.sendai.jp/anzensuishin/kurashi/anzen/documents/20211220_saigaivr_shiyousyo.pdf

・災害VRコンテンツ製作業務委託指名型プロポーザルの結果について
https://www.city.sendai.jp/anzensuishin/kurashi/anzen/documents/20211220_saigaivr_kekka.pdf

・仙台市地域防災リーダー SBL通信 第9号 2022年3月 発行 仙台市危機管理局減災推進課
https://www.city.sendai.jp/gensaisuishin/documents/sbltuusindai9gou.pdf

■仙台市市民センター 

・講座レポート 2023年12月3日
https://www.sendai-shimincenter.jp/wakabayashi/aramachi/kouza/report/hmmr2n00000ajdbl.html

■凸版印刷株式会社

・「せんだい災害VR」のご紹介
https://www.bosaitech-pf.go.jp/doc/6_toppan.pdf

■khb東日本放送

・災害への備えを高める バーチャルリアリティで疑似体験 仙台市の取り組み
https://www.khb-tv.co.jp/news/14810926

・VRで自然災害の恐ろしさを体験できるプログラムを作成 仙台市
https://www.youtube.com/watch?v=EkP7kEe0MP8

■RESERVA.lg

・防災対策のデジタル化に成功!自治体における防災DXの導入事例 2023年9月27日
https://lg.reserva.be/lg-dxresearch-disaster-prevention/

事例に関する問い合わせ先

危機管理局減災推進課
Tel:022-214-3109
お問い合わせフォーム:https://www.city.sendai.jp/cgi-bin/simple_faq/form.cgi

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