東京都港区「みなと母子手帳アプリの導入」

展開地域名: 東京都港区

分野:
子育て
キーワード:
コミュニケーションツール
AI
スマホアプリ活用
母子手帳

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解決すべき課題

■母子健康手帳は、妊娠期から産後まで、新生児期から乳幼児期まで一貫して、母子保健の記録を、医療関係者や行政が記載・参照し、また保護者自らも記載し管理できるよう工夫されている。これは、非常に優れた母子保健のツールだが、活用する子育て世代の区民にとっては、記録に対するフィードバックの乏しさや、紛失や携行忘れ等のリスクがあった。

■また、種類と回数、接種間隔等の条件が多い予防接種のスケジュール管理や担当部署の開庁時間でなければ予約等ができない各種乳幼児健康診査・子育て支援事業へ困難感を感じる保護者も少なくないことから、新たなツールの導入が必要であった。

解決の手法

子育て世代の区民に対して、以下のような機能を有するアプリを提供した。
◆乳幼児健康診査乳幼児一時預かり事業、その他の子育て支援事業の予約
◆保育園入園申し込み時に家庭状況によってパーソナライズ化される必要書類や空き状況の確認
◆保育サービスの専門相談員「保育コンシェルジュ」の予約
◆予防接種のスケジュール立案、調整

母子健康手帳を紛失すると、保護者が管理する母子保健記録のほとんどを失い、就学段階が上がった際などに記録の参照が困難になる等の課題があったが、母子健康手帳の記録をアプリにも保存(入力または写真による)しておくことで、データを港区独自データベースに保管し、母子健康手帳を紛失した際でも過去の母子保健記録を参照可能とした。

種類の増加等の理由により複雑化し、接種率の低下や間違い接種の増加などの課題があった子どもの予防接種について、AIを搭載した予防接種スケジューラーの機能をアプリに搭載することで、個々の子どもに合わせたスケジュール作成や日程変更時の自動調整(通知)等を行い、適切な時期に必要な接種を案内可能とした。このことにより保護者が複雑な予防接種スケジュールを立案する必要がなくなり、適切なタイミングで通知(メールやスマートフォンへのプッシュ通知)を行うことで接種率が向上した。また、誤った接種間隔等で接種を受けに行く可能性が減少し、結果として不適切な間違い接種が減少した。

解決における工夫点

下記の子育て世帯向けサービスを一つのアプリ(Web または、スマートフォン上から利用可能。)に搭載し、高い利用率を実現した。
• 予防接種 AI スケジューラー
• 母子健康手帳の記録内容のデジタル保存機能
• 乳幼児健康診査の 24 時間予約機能(予約期間内に限る)
• 母子保健健康教育(両親学級)等の 24 時間予約機能(予約期間内に限る)
• 乳幼児一時預かり事業の空き状況確認及び 24 時間予約機能
• プレママ応援事業の面接 24 時間予約機能(予約期間内に限る)
• 保育コンシェルジュの 24 時間予約機能
• 近隣保育園の位置・詳細の確認機能
• 入園関連書類の検索機能

事例による成果

■令和 2 年 6 月の導入から定期予防接種における年間の間違い接種件数が44.1%減少した。(令和元年度:74 件/年、令和 2 年度:68 件/年、令和 3 年度:38 件/年)
■小児(ここでは 7 歳半未満)の定期予防接種率が前年度比 3.9%、前々年度比 2.5%上昇した。
■保育コンシェルジュの予約を 24 時間可能にしたことで、電話での予約数が半分以下になった。
(アプリ実装前は 8:30-17:15 までの予約時間であったため、申込締切り前には多くの予約電話がかかってきていた)
■子育てのスタートから間もなく、多くの予防接種をスケジュール立てて受けていかなくてはならない 0 歳児段階の登録率が 85.7%に到達した。
(0 歳区民:2,428 人、0 歳登録子ども数:2,080 人、令和 4 年 3 月 1 日時点)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2020年6月~継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 東京都の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。


■2022年度 夏のDigi田甲子園 東京都の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/tokyo.html

■みなと母子手帳アプリについて
https://www.city.minato.tokyo.jp/hokenyobou/yobousessyu/apli.html

■広報みなと2021年8月1日号 子育て・子ども関連情報
みなと母子手帳アプリに「保育園」「保育コンシェルジュ予約」機能を追加しました
https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/kuse/koho/minato2021/202108/20210801top/20.html

■広報みなと2020年10月21日号
https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/kuse/koho/minato2020/202010/documents/201021.pdf

■みなと保健所からのお知らせ(9月1日)「ご自宅で、電車の中で、いつでもどこでも予約が可能『みなと母子手帳アプリ』にオンライン予約機能を新たに搭載します」
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202009/20200901_press.html

■【「夏のDigi田甲子園」の東京都代表に決定!】みなと母子手帳アプリ紹介動画
https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/movie/2207-hoken.html

■6月1日スタート~妊娠期から子育て期にわたって切れ目ない支援をめざして~「みなと母子手帳アプリ」と「みなとプレママ応援事業」を開始します
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/20200521-1_press.html

■~一人ひとりに寄り添い、誰一人取り残さない~快適な区民生活のため、港区版DXを加速します!
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/houdouhappyou/documents/20220426_dx.pdf

■令和3年2月1日(月曜)、武井雅昭港区長が令和3年度予算案記者発表を行いました
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/houdouhappyou/20210201_kisyahappyou.html

■港区(みなと母子手帳アプリ)
https://mi-labo.co.jp/lg-users/minatoku-ku/

■港区が母子手帳アプリでプレママ応援 タクシーや育児用品、商品券2万円分も
https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/birth/32528/

関連する図表・動画

2022年度 夏のDigi田甲子園 東京都の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/tokyo.html

事例に関する問い合わせ先

みなと保健所保健予防課
03-6400-0081

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